第五話 「教師と生徒」以上のこと

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<文化祭実行委員> 新学期。2学期が始まった。 この夏休みは、まともに数学補習同好会の活動をしていないな。 初日に早川先生が用意していた、国語辞典並みの厚さがあるプリントの束は…多分、半分もやっていないと思う。 学校までの道を歩きながらそんなこと考えた。 何だか、数学以外のことで濃い夏休みだったなぁ。 「ところで真帆。結局、浅野先生とはどうなったの?」 「……どうもないよ」 浅野先生に早川先生との関係が知られて、浅野先生にも好きだと言われたことを有紗には話していた。 「しかし、大変だったんだね。私がいない間に楽しいことになってから…!!」 「全然楽しくないからね!? 有紗がいてくれたらどれほど良かったか…毎日そう思っていたよ」 笑いながら昇降口に向かう。 昇降口には立哨当番の先生が何人か立っていた。 飛谷先生、浅野先生、早川先生。 今日は2年生担任が当番なのかな? 1組から3組までの担任が並んで立っている光景が面白い。 …なんて思うが、心の中は感情がフィーバーだ。 浅野先生も気まずいし、早川先生も気まずい。 この前、学校で早川先生と体を重ねてしまったから。 学校で先生の姿を見ると思い出してしまう。 まぁあれは、最初に行動を起こした私が悪いけれど。 「おはよ、藤原さん!!」 「あ、おはようございます…」 浅野先生がニコッと人懐っこい笑顔でこちらに挨拶してくる。 それを見た早川先生の眉間に皺が寄るのも見逃さなかった。 「浅野先生、私もいるけど!? 私にもおはようって言って~」 「的場さんもおはよう!」 「『も』だって!! 出た!! みんな私をオマケみたいに扱うんだから!!!!」 笑いながら校舎に入っていく有紗。 早川先生は眉間に皺を寄せるのを止めて、無表情になっていた。
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