第六話  非日常がもたらすもの

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「あ、藤原さん…」 自由時間が終わり、体育館に戻った。 実行委員会の席に行くと、すぐさま浅野先生が駆け寄ってくる。 「藤原さん、楽しめた?」 「…普通です」 冷たく返答する。 必要最低限のこと以外の会話をしないと、昨日早川先生と約束したのに。 それでも浅野先生は懲りずに話し掛けてくる。 神崎くんと同じだ。 「ねぇ藤原さん。俺、軽音部で演奏したんだけど…見てくれたかな?」 「…ごめん、見てない」 「マジか…見に来てって言っておけばよかった」 神崎くんは停学になって以降、沢山居た取り巻きはゼロになった。 軽音部のライブを見に来る観客の殆どが神崎くん目当てだったらしいが、停学になったと噂を聞いた人たちは近寄りもしなくなったみたい。 そして、後ろの席に座っている近藤さんと津田さん。 津田さんは戻ってきてからずっと泣いており、近藤さんは少し戸惑っていた。 文化祭という非日常が終わる。 文化祭実行委員会からも解放される。 これが終われば、また数学補習同好会での日々が再開する。 浅野先生、神崎くん、津田さん。 3人が私たちに何をして来ようが…私と裕哉さんの仲は、絶対に裂かせない。
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