第七話 2人を繋ぐ物

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<お揃い> ペアリング。 ペアネックレス。 アクセサリー屋の前には、カップルにオススメと書かれたポップと共に、様々なペアアクセサリーが並んでいる。 歩きながら横目で見ていると、先生は足を止めた。 「…学校が良ければ、こういうものが一番良いのですが…なかなか難しいですね」 そう言いながらペアリングの1つを手に取って、右手の薬指に嵌めた。 ヤバい。 先生…とても似合う。 「…ねぇ裕哉さん、右手の薬指にリングを嵌めて授業をしてみませんか?」 「え?」 「学校中、話題になります」 「何を急に…。貴女はそれで良いのですか」 「良くないけど、良いような…。何でしょう、優越感と言いますか、特別感と言いますか…」 「独占欲?」 「それも近いかもしれません」 そう答えると、先生はリングを元に戻して私の肩に腕を回した。 「言いたいことは分かります。僕だって今日、真帆さんがそのネックレスを着けて下さっていることで、まさしく同じような感情です」 先生がホワイトデーの時にくれたネックレス。 学校では着けられないが、休みの日はいつも身に着けている。 「しかし、学校で話題になると困りますので、リングはまたにしましょう。真帆さんが卒業するまでは目立ちたくないので」 「卒業したら着けますか?」 「そうですね。そうしましょうか」 先生は私の手を握って歩き始めた。 学校での先生が右手にリングを嵌めていたら…ギャップが凄い。 だけどちょっと見てみたかったかもなんて、心の片隅で思う。
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