第一話 数学補習同好会の変革

8/11
前へ
/94ページ
次へ
<本音と建前> (side 早川) 藤原さんから不穏なメッセージが届いていた。 3限目。このコマは空き時間。 数学科準備室に籠りながら、そのメッセージを眺めた。 的場さんを入部させる…か。 それは別に構わない。 けれど、浅野先生を顧問にするのは納得がいかない。 更に部員を募集するって? お断りですね。 確かに昨日の僕の対応は不味かった。 しかし、それとこれは別だ。 「………」 頭をフル回転させて考える。 何か正当な理由は無いか…。 「…あ」 閃いた。 僕も、指導熱心な教師を演じてみよう。 浅野先生が『沢山の生徒に数学を教えたい教師』なら、僕は『少数の生徒にしっかりと数学を教えたい教師』だ。 うん、これだ。完璧。 浅野先生が戻ってきたら話して見よう。 そう決めた。
/94ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加