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ゆり子さんの正体
「北沢さん、、僕は、君の担任教師だった清原です」
「は?」
な、なに言ってるんだ、ゆり子さん!
「な、何の冗談? ゆり子さん」
あたしは、動揺して言った。
そのあたしを、ゆり子さんは、じっと 見詰めた。
「僕は、ずっと、君を救いたかった、、。だから、まずは、君のお母さんを助け、君の生活環境を変えないといけないと思った。だから、学校を辞めて、女装して、ホステスになって、君に近づいた、、」
えええーっ?!
ウソでしょ?!
あたしは、震える声で訊いた。
「あたしを助けるために、、?」
「はい。そうです」
「な、なんで、そこまでしてくれたんですか?」
あたしは、仰天していた。
そのあたしに、ゆり子さん、、いや清原先生は、言った。
「学校で、君だけが、僕をいじめなかった。それが、すごく嬉しかった、、。それだけが、当時の僕の救いだったんです。だから、僕も君を全力で救いたいと思った、、」
「清原先生、、」
あたしは、泣けてきた。
ゆり子さんは、清原先生だった、、。
そして、その人生をかけて、あたしを救ってくれた、、。
「君は、もう、大丈夫ですよね?」
清原先生が、優しく訊いた。
「、、はい。先生、ありがとうございました、、」
あたしは、そう答えた。
そして、思った。
将来、清原先生みたいな教師になりたいと、、。
end
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