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清原先生
「清原センセー、オレ、死にたいんですけど、どーしたらいーですかあ?」
新城一樹が、数学の授業中、いきなり、黒板に数式をひたすら書いていた清原先生に言った。
清原先生は、黒板から振り向いた。
そして、掛けている分厚い黒縁メガネを押さえながら、おどおどと言った。
「え、、? し、新城君、急にどうしたんですか?」
「どうって、死にたいんですよー。生きてたって、つまんないしー。先生、生きたいって思えるようにしてくださーい」
クラスのボスである新城一樹は、ニヤニヤ嗤っていた。
あたしは、いつもの、この清原先生いじめに、うんざりしていた。
清原先生は、まだ若い、あたしのクラスの担任で、数学教師だ。
クラスのみんなが、清原先生いじめをしているが、特に新城は、清原先生が酷く嫌いらしく、しつこい。
あたしも、あまりに頼りない清原先生が、好きではなかった。
「何でも、悩みがあったら、相談してください」
そう言ったくせに、何一つ解決出来ない、理想が立派なだけの無能な教師だ。
あたしには、深刻な悩みがあった。
誰かに、助けて欲しい、、。
もう、限界だった。
しかし、清原先生に相談したって、解決する訳ない。
誰も、助けてくれない。
もう、死のう、、。
今夜だ。
今日で、この最低な世の中に、サヨナラだ。
あたしは、そう、決めた。
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