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母親は、嬉しそうに、弾む声で答えた。
「お母さんの働いているクラブのナンバーワンホステスよ。カッコいいの。すごく、助けてもらってるし、、。この前なんか、嫌なお客さんの対応に困ってたら、そのお客さんの頭にドンペリ掛けたのよ。百万もするドンペリを!」
母親は、興奮して、赤い顔をしていた。
「とにかく、ゆり子さんはすごいの! 最近、入って来たのに、あっと言う間に、ナンバーワンになって、、すごく、綺麗だし、度胸もあって、とにかく、なんだか、全てを超越してるっていうか、、」
あたしは、しゃべり続ける母親を見ながら、ちょっと、そのゆり子さんに興味を持った。
「そのゆり子さんって、何してたの? お母さんのクラブに来るまで」
「それが、謎なのよ。一切、話そうとしないから。でもね、頭は、すごくいいみたい。あ、、」
母親は、何か、思い付いたらしい。
「あなた、ゆり子さんに勉強を教えてもらいなさいよ。学校に行かないなら」
「はあ?!」
あたしは、びっくりした。
ホステス家庭教師か?!
母親は、あたしの驚きを無視して、勝手に盛り上がっていた。
「そうよ! それがいいわ。ゆり子さんに頼んでみる!」
そうして、、。
一週間後。
そのゆり子さんが、本当に家に来ることになったのだった。
あたしの家庭教師として!
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