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ゆり子さん登場
ゆり子さんは、やって来て、第一声に言った。
「はじめまして。ゆり子です。これから、あなたをビシバシ指導するわ! 覚悟なさい!」
あたしは、ビビった。
その言葉にもだが、ゆり子さんは、あまりに美しかったからだ。
細身の長身で、化粧はちょっと濃く、声は、いわゆる酒焼けしたのか、ハスキーだったが、人を引き付けるオーラがあった。
「さあ、さっそく、勉強を始めるわよ。まずは、数学からよ」
ゆり子さんは、そう言うと、あたしの勉強机の横に、イスを持って来て、座った。
「さあ、さっさと、教科書を出しなさい。数Ⅰからね」
あたしは、ゆり子さんの勢いに圧倒されっぱなしだった。
あ、でも、どうして、あたしが数Ⅰから、勉強が止まってるって分かったんだろう、、。
お母さんにも言ってないのに。
まあ、無難なところから始めようってことかな、、。
あたしは、そう思った。
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