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混ざり合った黒。一色でない黒。
私の心も、果たしてそう捉えていいんだろうか。
「相川さんってば、さっきどんよりした顔で歩いてたのよ」
「そーそ。亡霊かっての」
「きゃはは、やばーい。ほんとに死んじゃえばいいのに」
――このけっして褒められたものではない思いも、人間である証として、認めてしまってもいいんだろうか。
私の沈んだ黒い感情の奥に、まだ色褪せない何かが、重なっていると信じてみてもいいのだろうか。
美術室のペインター。
彼女は私に、永遠の絵を遺していった。
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