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午前中の講義を終えて、彼女と野口と三人で大学のすぐ近くにあるパスタ屋で食事した。
「大和は午後の講義あるの?」
彼女が僕の予定を聞いてきた。
「午後はバイト行かないと…」
働く気分じゃないけど…。
「そうなんだ…
明日は空いてる?」
「う、うん…空いてるよ」
「俺も空いてるけど?」
野口が横から口を挟む。
「野口くんには聞いてない!」
彼女は野口を睨み付けた。
「西条~、麗香ちゃんがいじめるぅ」
わざとらしくテーブルの下に隠れる。
「あはは…」
「ちゃんとお礼したいから、後でメールするね」
食事も終わり二人と別れ、僕はバイトに向かった。
『良かったじゃないか、彼女が元気で…』
「うん、でも…」
『大和じゃなければ、彼女は助からなかったかも知れないな』
「えっ?どういう事?」
『彼女を探して走り回ったから間に合ったんだ
他の奴だったら彼女に取り付いた事も分からなかっただろう』
「そ、そうかな?」
でも、本当に彼女の助けになったのなら嬉しい。
僕はこれからもちゃんとヒーローとしてやっていけるのか?分からない。
もっと強い敵が出てきたら負けるかも知れない。
それでも、埴輪マンになれるのは僕しかいないんだ。
end
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