埴輪マン2 大和の苦悩

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安倍晴明と言えば、(あやか)しから都の平和を守ったとされる伝説の陰陽師だ。 今の僕なら、悪しき魂と戦っていたと言われれば納得する。 「…でも、何でハニワンまで封印されたの?」 「晴明は後を継がせる者を探していたんだが、見付からなかった そこで私をあの人形(ひとがた)に納めて、後世に託す形で一緒に埋めたんだ」 ハニワンは千年もあの古墳で眠ってたんだ…。 「そうかぁ…、安倍晴明って本当に平和を守ったヒーローだったんだね 僕はそんな力もないのに…、はぁ…」 溜め息しか出ない。 『大和には大和の力がある 大和の魂力は晴明より強いのだぞ 私が生まれた頃の人間に近い…』 「でも、ハニワンの時代の人達は悪しき魂に滅ぼされたんだろ? 遺伝って事じゃないよね?」 文明が継続されていたのなら遺伝子も引き継がれただろうけど、今の日本人のほとんとが大陸からの移民(モンゴロイド)とされている。 『確かに私が生まれた文明は滅んだ 生き残った者も歴史の中に消えていった… だがそれは、この国に限っての事だ』 「え?それって他にもハニワンの文明と同じ文明があったの?」 世界には謎に満ちた伝説の文明の話はある。 もしかしたら、その伝説の文明がハニワンの文明と同じって事なのか? 『実際に私は確認してないが、同じ時代に他の国があったのは事実だ』 「そうだったのか… じゃあ、どこかで遺伝子が交ざってる可能性はあるんだね」 もしかしたら、僕の中にその遺伝子があるのかも知れない。
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