埴輪マン2 大和の苦悩

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午後の講義も頭に入らなかった。 こんなんじゃあ、松井博士みたいな考古学者にはなれないな。 「はぁ…」 「西条、パアッと飲み行こうぜ! 嫌な事は飲んで忘れちまうのが一番だ!」 野口は僕の肩に腕を回し、笑顔で僕を連れ出した。 野口に連れられ居酒屋に入った。 「…飲んだくらいで忘れられる訳ないだろ?」 「…当たり前だ 忘れる必要もない…、けど、少しは心が軽くなるだろ?」 野口にそう言われて気が付いた。 そうだ、落ち込んでても何も始まらない。 「うん、今日は飲もう!」 「その調子だ、飲もうぜ!」 その夜は久しぶりに心から笑った。 翌日、ハニワンの指環をはめた。 『やる気になったのか?』 「やる気…とは違うかもね でも、僕がヒーローをやる事で救える人がいるなら…やるしかないよ!」 まだ、完全に納得出来た訳じゃないが、今はヒーローをやる事で先に進める気がする。 「大和~♪」 大学の近くで後ろから名前を呼ばれた。 「えっ?」 振り向くと幼馴染みの藤原麗香が手を振りながら駆けてきた。 「ふ、藤原さん?」 「ちょっとぉ、前みたいに名前で呼んでって言ったでしょ!」 彼女とは家も近く、小中学校は同じクラスで、高校は違う高校だったが大学で再会した。 「いや、でも…」 「そうだ!お昼は一緒に食べようね!」 彼女はそう言って、友達の方へ駆けていった。 彼女は僕と違い子供の頃から明るくクラスの人気者だった。 頭も良くて、中学のテニス部では主将も勤めた。 僕よりもよっぽどヒーローに相応しいと思った。
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