埴輪マン2 大和の苦悩

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昨日より講義は頭に入っている。 「よう、今日はちゃんとしてるな …昼飯、食いに行こうぜ」 野口が昼食を誘いに来た。 「悪い、今日は先約があるんだ」 「先約?…麗香ちゃんか?」 野口と一緒にいる時に彼女もよく顔を合わせていて、僕の幼馴染みだと知っている。 「な、何で分かるんだよ?」 「俺以外にお前を誘うのは麗香ちゃんだけだろ?」 確かに友達は少ない。 しかし、その彼女から連絡がない。 「…おかしいな いつもなら講義が終わるとすぐに連絡があるのに…」 「振られたんじゃね?」 野口はからかうように言うが、僕は嫌な予感がした。 「…ちょっと行ってくる」 僕はそう言って駆け出していた。 彼女を探してキャンパス内を駆け回った。 見付けたのは講堂の裏手、人気のない場所だった。 彼女と数人の生徒がいる。 「ふ、藤原さん!どうしたの?」 何か様子がおかしい。 『大和、気を付けろ! 悪しき魂の気配だ』 ハニワンも異変に気付いた。 振り向いた彼女達の回りに黒いガスが漂っている。 「…藤原?…麗香って…呼んでって…言ったわよね!」 「…誰だ?…お前…殺す!」 「…血…血だ…血を寄越せ!」 みんな、目が赤く光って、僕を睨んでいる。 「ど、どうなってるんだ?」 『分からないが、あの中に悪しき魂に取り付かれた奴がいるはずだ』 僕は指環をはめた右手を突き上げ叫んだ。 「変身!埴輪マーン!!」 指環から七色の光が放たれ僕の身体を包み込み、埴輪マンに変身する。
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