両想い

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両想い

翌日以降、私に対する直接的ないじめは無くなった。 ただ、梓を始め…向井先輩に好意を抱いていた女子たちは私の存在を無視する。 まるでそこに私がいないかのような態度。 空気扱い。 …やることが全て露骨すぎるのよ…。 そんなこと思いながら教室に入り、自分の席に着く。 いつもと変わらない教室。 だけど空気は重苦しくて、呼吸をすることすら躊躇いそうになる。 居心地は……最悪…。 梓とは、もう友達には戻れない。 …元々まぁ、少し距離がある感じはしていたから。 仕方ないかな…とは思うけれど。 そんな梓が学校中でどこまで言いふらしたのか分からないが、見た感じあの日から、向井先輩に近づく女子の数も減った。 キャーキャーと騒ぐ女子はまだ居るけど、その数は前の半分以下になっているのは間違いない。 …所詮、皆の『好き』っていう感情は…その程度。 そんな風にどこか冷静な私は、一歩引いた目で見ていた。
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