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「ヒューゴ、もしかして薬の数が多かった? それなら数を減らしても大丈夫だよ! あのね、手荒れの薬はうちでも人気でよく売れるから、必要な数だけ買ってくれれば大丈夫だからね」
「ううん、逆なんだ」
「え? 逆?」
「うん。あのさ、エリサが初めて作った薬を全部買っても大丈夫かな?」
ヒューゴの視線が私と並べられた薬を行き来する。
「メイドから話が広がってたみたいで、みんなエリサの薬を欲しがってるんだ……!」
「ええっ、本当!?」
目を見開いてヒューゴを見つめると「もちろん、本当」とうなずいてくれる。うう〜自分の作った薬を必要だと言ってもらえるのが嬉しすぎて、口元がゆるんでしまう。
「ヒューゴ、ありがとう! 嬉しい……っ!」
私が初めて作った薬を全部渡すと、ヒューゴは沢山の荷物が収納できるマジックバックに入れた。
さすがによく売れる手荒れ薬がないのは困るので、材料になるカモミル草をヒューゴと摘みに出掛けることになった。
森の入り口に差し掛かると、ヒューゴが足を止めて私を見つめる。
「エリサ……今日もお願いしてもいい?」
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