アルバイト

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太陽はほとんど眠れなかったものの、早起きするとバイトの集合場所へ向かった。 バイトは、小学生の宿泊学習のスタッフ補助。 10日間ほど、島で民泊して過ごす小学生の活動の手伝いで、雑用兼、遊び相手だったけれど、日給1万2千円に宿泊と食事がついている。 バイトを紹介してくれたのは、同じフットサルチームで、年も同じ緒方康平という大学生だった。 7月に入ってすぐの頃だった。 フットサルの練習を終えた帰り道、康平が太陽を誘ってきた。 「割りのいいバイトあるけどやる?」 「怪しいのはパス」 「全然! 超健全! 泊まりで小学生の夏合宿の手伝い。日給1万2千円に宿泊代と食事付」 「いいじゃん」 「やるなら先輩に言うけど」 「緒方もやるんだろ?」 「俺はパス」 「何で?」 「先輩の話だと、とんでもなく体力いるらしくて、10日間の泊まりなんだけど、帰って来たらしばらく動けなかったらしいから」 「へぇ」 「去年やったから、先輩に声かかったんだけど、先輩は2度と行かないって。それで誰か元気な大学生紹介して欲しいって言われたって。お前割のいいバイト探してたろ?」 「やるやる。体力には自信あるし」 「先輩もやる前はそう言ってたけど。まぁ、頑張れ」 夏休みのバイトを探す手間がはぶけて、太陽は康平に感謝した。
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