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瑠奈から特徴を聞くと、奈帆はグラウンド前のバス停で太陽を待って、一緒のバスに乗り、近くに座って聞き耳を立てて、太陽の名字を知った。
サッカーグラウンドを持たない高校は限られていたので、特徴のない制服だったけれど、高校はすぐにわかった。奈帆は同じ中学出身の友達から太陽と同じ高校に進んだ子を探して、情報を集めた。
運良く奈帆と仲が良かった友達の友達が、太陽と同じサッカー部の男子と付き合っていて、簡単に高校卒業後の進路まで聞き出すことができた。
瑠奈は、病院に通っている状態の自分を知られたくないと言い、太陽が高校生の間は遠くから見つめるだけだった。
どうやって母親を説得したのか、奈帆にもわからなかったけれど、瑠奈は、太陽と同じ大学に進むことを決めた。
「病気のことは絶対に言わない。普通の同級生として日下部くんと話がしたい」
瑠奈は奈帆に何度もそう言った。
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