瑠奈の日記

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瑠奈の日記

********************* ×月×日 奈帆がこのサイトのことを教えてくれた 更新がなくなったら1年で勝手に削除されるみたい クリスマスはきっと迎えられないから、IDは希望にした 「公開」「非公開」が選べるようになってる もちろん非公開 ********************* ×月×日 病院から入学式に向かった でもそのおかげで日下部くんの視界に入れた! 「太陽」って書いて「たかやす」って読むんだって教えてくれた 知ってるよ ********************* ×月×日 奈帆は入学式の日から入院 まだ大学に来れていない お見舞いに行った 虫垂炎って聞いたけど炎症がひどくて入院が長引くって聞いた 「大丈夫」って言ってたけど心配 大学で一人でいるわたしに日下部くんが話しかけてくれた ********************* 太陽は、入学式をサボったせいで、少し出遅れたものの、講義の初日には、周りの人間とはそれなりに話をして、数人と連絡先を交換した。 けれども、瑠奈の方は女子の輪に入っていけないのか、一人ポツンと席に座って誰とも会話しようとしていなかった。 今ならその理由が太陽にもわかる。 瑠奈はわざと友達を作ろうとしなかったのだということを。 来年、この教室に自分がいないことを知っていたから。 太陽は、誰とも関わろうとしない瑠奈が気になって、「一緒に昼を食べよう」と誘った。 学食でオムライスを頼んだ瑠奈は、その量の多さに困惑した。 共学のせいか、何もかも量が多いことを知らなかったためだったけれど、オムライスだから今更「ご飯を減らして欲しい」とは言えない。 太陽の正面に座って、途方に暮れた顔をしている瑠奈に、太陽は言った。 「多かったらさ、残したのちょうだい」 「食べてもらえたら嬉しい。こんなに多いって思ってなかったから。でも残したのだったら、食べかけになるから。最初から日下部くんが食べれる分取ってくれたら――」 「そんなの気にしないから。吉高が食べたい分だけ食べた後を食べるよ」 「嫌じゃない?」 「全然」 「ありがとう。残すのとか失礼だから嫌だったんだけど、全部は食べれないから、困ってた」 食べられないからといって、簡単に捨ててしまう人が多い中、瑠奈はそうではないことに太陽は好感を持った。 それから、太陽と友達の山里に加え、瑠奈も一緒にお昼を食べるようになった。 瑠奈は予め量を調整できるものを頼むようになったけれど、それでも食べられないことが多く、太陽を頼った。 ご飯を食べる時は、太陽と仲の良い山里も一緒だったけれど、瑠奈は他の誰でもなく太陽だけを頼った。
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