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×月×日
どこにでもいる普通の子として太陽と付き合いたい
だから絶対に心臓のことは言わない
でも、それには
嘘ばかりついて
まわりの大切な人にも嘘をつかせて
わがままで最低のわたし
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瑠奈が教室に入ると、ずっと入り口を見ていたのか、すぐに太陽がやって来た。
「昨日、お母さん何か言ってた?」
「ううん、何も。お母さんが電話に出ちゃってごめんね」
「全然。オレの方こそ何度も電話してごめん」
「心配してくれてたって聞いたよ。ありがとう」
「あ……うん……あのさ……学校終わったらちょっと話あるんだけど、いい?」
「いいけど、今聞くよ?」
「あ、いや、ほら、もう授業始まるし」
「そっか。そうだね」
「席取ってるから、あっち一緒に座ろう」
「うん」
授業中、瑠奈は何度も太陽の視線を感じて、その度に太陽の方を見たけれど、瑠奈が見ると太陽はふいっと視線を逸らす。
(何だろう?)
真っ直ぐに前を向いて真剣な表情でいる太陽を見て、瑠奈は不思議に思った。
真面目に授業を聞いているようで、太陽のノートには何も書かれていなかった。
いつものように太陽と山里、そして瑠奈で食堂に行った。
カツカレーの山里と、焼き魚定食の太陽に対して、瑠奈は小さなサラダだけだった。
それを見た太陽と山里が心配そうに言った。
「吉高それだけ? どこか体調悪い?」
「そうだよ、吉高細いんだからダイエットとかいらないっしょ?」
「違うよ! 朝いつもより早起きして時間があったから、いっぱい食べちゃって、まだお腹が空いてなくて」
「そうなの?」
「うん。食パン2枚食べて、スクランブルエッグにヨーグルトとバナナも食べたのに、その後、まだ時間があったから、テレビ見ながらマフィンも食べちゃって……」
「それ食べ過ぎ」
「でしょう? やばいよね」
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