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×月×日
太陽の部屋に行った
太陽の部屋、ぐちゃってしてるのかと思ったらきれいだった
いつの間にか寝ていて、起きたら終電がなくなっていた
それで太陽の家に泊まることにした
太陽の家のボディソープをを使って、太陽のTシャツを借りたら、わたしまで太陽の匂いになった
映画を見ていたら抱きしめられた
びっくりして太陽を見たらキスをされた
バカだった
ちょっと考えればわかることだったのに
そんなこと考えてなかった
嫌って言ったら太陽は手をとめた
「ごめん」と言ってわたしから距離をとった
「もうしない」と言われた
違うの太陽
そうじゃないの
ごめんね
ごめんね
嫌なんじゃない
できないの
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この日のことを太陽はよく覚えている。
2人はほとんど毎日会っていたし、時々キスもする。
(そろそろいいよな?)
太陽がそう思うようになっていた時だった。
瑠奈が家に遊びに来た。
太陽の家で映画を観ていて、夢中になっていて気がついたら瑠奈は終電を逃していた。
太陽はさりげなく「泊まっていけば?」と言った。
瑠奈は「そうしよっかな」と普通に答えた。
2人で近くのコンビニに行って、必要なものと、ついでにアイスも買った。
シャワーを浴びて、アイスを食べながら、もう一本映画を観ることにした。
太陽に借りたTシャツが瑠奈には大きくて、ウエストを紐で縛る短パンも借りて着ていたものの、まるで下は履いていなような恰好だった。
並んで座って一緒に映画を観ながら、太陽は瑠奈を後ろから抱きしめた。
瑠奈が太陽の方に顔を向けたので、キスをした。
(これってOKってことだよな?)
太陽はキスをしながら、瑠奈のTシャツの下から片方の手を入れると、最初はブラの上からさわった。
瑠奈が抵抗しなかったので、もう片方の手でブラのホックを外すと、今度は両手で瑠奈の胸に直接ふれた。
「やだっ」
突然、瑠奈が抵抗した。
「ごめん」
太陽は瑠奈からすぐに離れた。
「もうしない」
すぐに太陽は瑠奈に謝った。
「瑠奈の嫌がることは絶対しない」
「違うの。そうじゃない……」
「約束する。信じて」
「ごめんなさい」
「なんで瑠奈が謝る?」
結局その日は2人で何本も映画を見続けて、途中で眠ってしまった瑠奈をベッドに寝かせて、太陽は床で寝た。
その日の日記が書かれていたページを閉じると、太陽はスマホをテーブルの上に置いて、ベッドに横たわった。
「どうして、あの時言ってくれなかった? 心臓が悪いからできないって」
太陽はそう呟きながらも、その答えを知っていた。
『どこにでこいる普通の子として太陽と付き合いたい』
それが願いだと日記に書いてあった。
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