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×月×日
太陽と一緒にいたい
でも、絶対にできない
でもきっとしたいよね
心臓のことは絶対に言いたくない
どうしたらいい?
やっぱり太陽には元気な子の方が似合ってる
海にも行けない
キャンプにも行けない
スポーツもできない
走れない
することもできない
断ってばかり
太陽のしたいことがわたしにはできない
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×月×日
クリスマスまで嫌って言った
そうしたら、「クリスマスを最高の思い出にしよう」って太陽が言った
クリスマス
多分
多分その頃には
もう随分無理をしている
学校に行くことがきつい
ホテルミラコルテってどこだろう?
雑誌に書いてあったそのままを言っただけなのに太陽は信じてる
ごめんなさい
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瑠奈の日記は太陽にとって、ほとんどが思い当たる出来事だった。
時折、わからないこともあったし、この頃になると日付が随分飛ぶことが多くなってきた。
恐らく、病院にいることや家で休まざるを得なかったことは書きたくなかったのだと想像できた。
「瑠奈、ホテルミラコルテ知らなかったのか? あそこは、テーマパークの中にあるホテルで、部屋からショーが見えるんだよ。だから次の日一緒にテーマパークに……」
叶えられない約束。
行くことのできないテーマパーク。
「クリスマスがどうとか、豪華なホテルに泊まりたいとか……わがままなフリばっかじゃん……」
そこにいない瑠奈に太陽は話しかけた。
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×月×日
太陽が眠るまでずっと起きている
いつからこんなことをしてるのかは忘れてしまった
太陽が眠ったのを確かめて、ぎゅって抱きしめる
太陽大好き
ごめんね太陽
わたしには太陽の望むことができない
太陽のことを思うと早く別れないといけないのに
もう少しだけ
あと少しだけ
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(オレは、どうして聞こうとしなかったんだろう……寝たフリなんかしなければ良かった。別に、やんなくても良かったのに、一緒にいるだけで、十分だったのに……)
それ以上読むことが出来ずに、太陽は瑠奈の日記が書かれているサイトを閉じた。
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