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♯23 全面展開フルパワー!
「入れってことみたいだな。みんな気をつけろ」
ジュテームはみんなの先頭に立って、遺跡の中へと踏み込んだ。
ウリ・ホジヌの内部にもたくさんのロウソクが灯してあったが、天井がやけに高くて全体的に薄暗い印象だ。
夜だというのに空気は生暖かく、肌にまとわりつく感じがして心地が悪い。
石畳の通路を進んでいくと、数百畳はありそうな大広間に出た。
中へ踏み込んでしばらくしたとき。
屍タモちゃんと屍ロナが唸りだす。
「囲まれてるな」
ジュテームたちに緊張が走るなか。
四方八方からゾロゾロと現われたのは。
「屍人形かっ?」
「ここで間違いなさそうですね」
「でも歓迎されてはいませんよ」
エターニャと鈴鹿と半が身構えた。
「デッドリィしゃま、お師匠しゃまと喧嘩しているの?」
「そんなつもりはなかったんだけど」
クライネとデッドリィがひそひそ話をしていると。
チャコールグレーの肌をして、ショッキンググリーンの服を着飾った屍人形が。
「来っぞ!」
一斉に襲いかかってきた。
「魔忍法、下肢釘付けの術!」
半が咄嗟に屍人形の動きを止めると。
「これぞ豪快豪傑、一点突破、急いでんだよっ、邪魔してんじゃねぇえええーーーっ!」
ジュテームが衝撃波を撃ち放って、豪快に薙ぎ伏せていく。
そのコンビネーションを繰り返して楽勝かと思われたのだが。
いくら屍人形を倒しても、闇の中から無尽蔵に現れ出してくる。
「切りがねえな。ここは俺と半に任せろ。先に行け!」
「ご武運を!」
デッドリィたちはジュテームと半に援護を貰って大広間を駆け抜けた。
その先には。
中央に水辺と松明で囲まれた、石造りの円形闘技場があって。
周囲は無限に広がる石畳になっている。
「わっ、この水辺、電気が流れてる!」
クライネが水辺に差し入れた指からビビッと感電して乱舞した。
「ずいぶん物騒な宝物殿だな」
「エターニャさん、たぶん入り口から異空間に入れ替わっていたんだと思います」
「鈴鹿の言うとおり。ここは本来の遺跡内部じゃないわ」
デッドリィたちが闘技場の中心へさしかかったとき。
上から人が落ちてきた。
みなが咄嗟に四方へ飛び退く。
大きな一枚布を全身に何枚も巻き付けたような、エメラルドグリーンのドレスで。
「あたしの屍人形になりたいの? あら、変わったおもちゃもいるじゃない!」
布が作る影の向こう側で、ヒスイ色の目玉がギラリと光る。
「ヲロアトクネ・デキ!」
その目を見た途端に!
「っく……くくくくく……きゃはははは!」
デッドリィたちが笑い始めた。
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