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♯25 冒険は終わらない!
しかし通路が、グッシャリ、グッシャリと崩壊しだして。
後ろから猛スピードで追いかけて来た!
「お約束の展開だ~~~っ!」
まるで白鯨にでも飲み込まれそうな勢いで。
「に~げ~て~~~っ!」
出口から決死のダッシュで飛び出た途端!
通路の天井が崩落。
土煙とともに入り口が完全に塞がった!
みな、腰が抜けたように。
「たすかった~~~」
その場所にへたり込む。
「でもタモちゃんの薬が……、黄金が……」
「希望が絶たれてしまったよぅ……」
アマツカゼやロナたちが落ち込むなか。
「タモちゃん、死んじゃやです~~っ」
「出会えたばっかりなのに~~~っ」
菜乃花と菜乃葉がタモちゃんにすがりつく。
「大丈夫。大丈夫。すぐに死なないから!」
タモちゃんが気丈に振る舞うも、そんなときに。
そっちのけで鈴鹿が何かをしていることに、デッドリィが気がついた。
後ろから覗き込んでみると。
「鈴鹿ちゃん、こんなときに本なんか読んで酷いじゃない!」
「みなさん! 大発見です!」
鈴鹿が眉を吊り上げ、バッと振り向く!
「なぁに?」
タモちゃんたちが注意を向けると。
鈴鹿はどや顔の微笑みで。
「不死の薬の作り方を発見しましたっ! しかも錬金術のオマケつきです!」
古びた書物を掲げて見せる。
「なぁんだって~~~っ!」
「これにある材料を集められれば、不死の薬、蓬莱を作れるかもしれません!」
「でかしたぞぉ、鈴鹿!」
ジュテームが濡れたまつげを拭き払う。
「鈴鹿ちゃん、いつのまにそんな本を拾ったのっ?」
デッドリィたちがにわかに大喜びするさなか。
エターニャだけが小首をひねって。
「しかし妙だな」
「どうしたの、エターニャさん?」
「アンコ文明は文字を持たなかったはず」
「それがスペイン語、つまりシプアン語で書かれてあるんです!」
鈴鹿が本を開いて指し示すと。
「まさか、インカ帝国を侵略して滅ぼしたスペイン人が書き残したのか!」
エターニャが手を打った。
「その可能性大ですね!」
「しかし、偽物の可能性も大だぞ」
エターニャの発言に、みなが憂いの顔で押し黙る。
「本物かどうか、今は疑っててもしょうがねえ!」
それをジュテームが打ち破り!
「そうよ! これがタモちゃんが生き延びるための、最後の希望なんだから!」
デッドリィが気概を盛り上げた!
「なんとしても、材料を探すのよ!」
「クライネ、かならず、見つけ出す!」
「ロナちん、そういうの得意だもんね!」
「冒険に旅立ちましょう!」
アマツカゼにクライネに、ロナに半も気持ちを高ぶらせて!
タモちゃんを励ました!
「みんな……」
タモちゃんが涙ぐむなか。
「ぜったい蓬莱を作っちゃうぞーーーっ!」
「うおおーーーーーっ!」
みなが意欲の雄叫びを上げたのだった。
こうして、埋蔵金掘りは失敗に終わったかわりに。
不死の薬・蓬莱を作るための旅が始まるのでした!
第7章へ つづく!
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