★最終章(第7章)★ ♯1 待ちわびた級友

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★最終章(第7章)★ ♯1 待ちわびた級友

 インカ(アンコ)帝国の埋蔵金掘りをして帰ってきたその晩に。 「ロナ隊員、本日から合流でありまあっす!」  ロナがタモちゃんたちの家へ転居してきて。  明くる朝にはもう。 「ロナッペだよぉ、改めてよろしくねーーっ!」  同じ学級に編入してきた。  鈴鹿たちと同じセーラー服を着こなして教壇に立ち、着ぐるみのアクターのような、おどけた挨拶をするロナを。 「待ってたよーーっ!」  みなが旧知のように迎え入れる。  そして。 「アマツカゼよ。特別に、あーまちゃんって呼ばせてあげる」 「独特な偽名センスだな……」 「誰が偽名よっ、あだ名なのんっ!」  終始クールなアイドルになりきっているアマツカゼも。 「今日からクラスメイトだねーーっ!」  レジスタンス分校に転入することとなったのだ。 「はぁい! 空いている席に座ってくださぁいね! うほ!」  宇補先生に促されて。 「やあやあ、待たせたな、皆の衆!」 「わたしと同じクラスだなんて、ラッキーな人たちね」  ハイタッチをしながら。 「クライネのとなり! クライネのうしろ!」  ロナとアマツカゼがクライネに捕まって、右隣と後ろの席に着く。  学び舎に新しい仲間が増えた、そんな日のお昼休み。  みんなで机を囲んでご飯を食べながら。 「鈴鹿ちゃんにご注目ーーっ!」  デッドリィに手でキラキラされて。  不死の薬・蓬莱(ほうらい)について、鈴鹿が古代の本の解読結果を発表する運びとなった。 「どのくらいわかったの?」  タモちゃんが給食のハンバーグをついばんで聞くと。 「ひと通りは解読できましたーーっ!」  鈴鹿は分厚い本を掲げてみせて、目のくまがある顔で笑ってみせた。 「ひと晩でっ?」 「その量をっ?」  ロナとアマツカゼが思わずご飯を飲み込んで、目を丸くする。 「それ、昔のスペイン語ですよね!」 「あたし、母国語でも無理!」  半とデッドリィも食事を忘れて箸を止め。 「鈴鹿さんって、しゅごいです!」 「天才でしゅね……!」  菜乃花と菜乃葉が敬う目で仰ぎ見た。 「それでさ、不死の薬の材料ってなぁに、なぁに?」  クライネが催促すると。 「人魚の黒焼きとかだったりして!」 「ひひーーっ」  エターニャのいたずらめいた冗談で、みながひしゃげた笑顔になる。  ところが鈴鹿だけは浮かない顔をして。 「それがいくら調べても、はっきりとした材料名が載ってなかったんです。ガクリ……」  げっそりと項垂れた。
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