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♯10 気づかれないように取れ!
「校長せんせーっ、教え子が一緒にゴム跳び遊びましょーって! あと、暇だし勝手に見学させてくださいねーーっ! うほ!」
「こんな夜中にそんな理由でーーっ?」
「怒られるってばーーっ!」
半や鈴鹿がビビって逃げようとしているのを。
「ほら、早く行く! 行く!」
宇補先生が楽しそうに押し込んでいるところに!
髪型がアフロドレッドで。
ギランギランのサングラスをかけた。
髭面の校長先生が。
「おまえらなーーっ!」
ドカンと椅子から立ち上がった!
「ひいいーーっ、ごめんなさいーーっっ」
「こんな時間に良く来たねっ! 好きなだけ見ていきなさいっ!」
爽やかに歯を光らせて。
サムズアップした!
「まさかのウエルカムーーッ!」
「宇補先生、ナイスですーーっ!」
半と鈴鹿が抱き合って、涙で「こわかったあっ」と狂喜する。
「みんな、見学の振りして探し出せーーっ!」
ジュテームの掛け声で、みなが校長室へなだれ込んだ。
「リミットまであと何分?」
「あと10分!」
タモちゃんや鈴鹿たちが四方八方に散らばって。
「いそげーーっ!」
「わーい! さすが校長室だーーっ。物がいっぱいあるよーーっ!」
「めぼしいのを見つけるったって、これじゃあ、たいへんだあ!」
クライネやエターニャがぼやいた矢先に。
「見つけたかも!」
「ホントッ?」
校長椅子に座っている校長の背後から、鈴鹿が本を近づけていくと。
本が徐々に強く輝きだした!
「こ、校長先生が材料っ?」
「デッドリィちゃん、しっ!」
校長先生に気づかれないように、鈴鹿が背中側に本を近づけて、上下に移動させてみたところ。
肩から首筋へと、上の方に強い反応があるようだ。
後頭部に本を照らし合わせたとき、猛烈に光を放って輝きだした!
「校長先生の頭だけがっ? そんなのって」
菜乃葉たちが目を疑うが。
「この輝き、間違いありません!」
鈴鹿の確かな断言に。
「えーっ、あたま取っちゃうのおおっ?」
菜乃花は身の毛を逆立てた。
「校長は、タモちゃんの犠牲となったのだ!」
「いやいやいや……、そんなことしてまで不死になりたくない!」
タモちゃんがロナに首を振る。
「じゃあ、どうするの?」
「あきらめちゃうのっ?」
「これがタモちゃんが生き延びる最後の手段なのよっ!」
クライネにデッドリィ、アマツカゼがみんなに聞きただしたとき。
タモちゃんがひらめいた!
「待って! このアフロ、もしやカツラなんじゃない?」
「おお! それ、ありそう!」
エターニャもその推理に賛同したのだけれど。
「ロナちゃん、取ってみて!」
「やだよぉっ! デッドリィちゃん、やってよお!」
今度は誰がカツラを取るかで、もめだした!
「じゃあ、半ちゃんやって!」
「なななんで拙者なんですかあっ!」
「忍者なんだから、気づかれないように取れるでしょ!」
「どうやったって、気づかれますよおっ!」
そんななか、待ちきれなくなったのか。
「まって! まってーーっ!」
本がぷっくりと膨らみだして――。
パックリ、ゴックン!
「カツラを食べちゃったあああ!」
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