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♯15 Save Our Souls!!
「クライネ、地球はどの辺りにあるの?」
「タモちゃん、このへんだよー!」
銀河の外れ、すこぶる外れに、赤い丸印がつけられた。
「マジか、そんな隅っこなのかよっ?」
「銀河の中心から、ものすごーく離れてますね!」
「地球って、とてつもなくド田舎だったんだわ……!」
ジュテームに宇補先生、アマツカゼが驚愕の事実に目を見開く一方で。
「地球から、こんなところまで一瞬でこれちゃいましたよっ、エターニャさんーーっ!」
「計り知れないテクノロジーだなっ、スズカーーッ!」
鈴鹿とエターニャは、子供のようにはしゃぎ回った。
「宇宙の外から来てるんだもん。このくらい瞬く間に行けないと、移動だけで年を取っちゃうよ。さあ、そろそろ深海へ向かうよ! ムギ、地球のチョルンジョー海淵に都市はある?」
クライネが天空に語りかけると。
「あるーっ!」
元気いっぱいなムギの声が返ってきた。
「やったあ! そこへ向かっちゃってーっ!」
クライネが言った途端に。
「はーーいっ!」
もの凄い勢いで、有りと有らゆる景色が差し迫ってきた。
あっという間に地球が見えてきて。
大気を突き抜け。
海の中へ突っ込んでいく。
「海に入ったのに、衝撃がまったくないなんて、スズカ、どうなってんだーーっ?」
「まるで海水が避けてるみたいですよっ、エターニャさぁんーーっ!」
エターニャや鈴鹿が驚く暇もなく、宇宙船は秒で光の届かぬ深海へ!
「宇宙より真っ暗だわ!」
「あ! なにか見えてきた!」
菜乃花と菜乃葉が大都会の夜景らしきものを指さしたとき。
唐突に、注意を促すような警戒音が鳴りだした!
その直後!
宇宙船がガクガク揺れ出したと思ったら。
「ど、どど、どうしたのっ?」
クライネが万々歳をして。
「わーい! 攻撃されてるーーっ!」
耳を疑うことを言い出したものだから。
「ええーーーーーっ!」
みな、パニックになりだした!
「なんでぇえええっ?」
「なににぃいいいっ?」
どんどん揺れが激しくなって。
大草原だった場所が、突如。
「あーーーーっ!」
ブレーカーが落ちたかのような、暗黒の世界に成り果てた!
すぐさまエマージェンシー・ライトに切り替わったが。
「クライネ、どうなっちゃったのーーっ?」
タモちゃんたちの慌てふためく叫喚に。
クライネが、あっけらかんとした声色で。
「沈没するけど、いーい?」
諦めのお手上げポーズをしてみせたので。
「こんなところで沈没したらっ……!」
「ちぬーーっ!」
タモちゃんたちは恐怖のあまり青ざめて。
「いやだぁああぁああああっ!」
「どうにかしてぇええぇえええっ!」
大絶叫を上げたのだった。
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