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♯7 バインバイン!
「実はわたしも乗ったことがない。だから知識と体験を紐付けたい!」
エターニャはスプリング遊具にまたがって見せ。
「いいか、タモちゃん、体重を前後左右に倒して思いっきり揺らすんだ!」
「わかった!」
タモちゃんも習って座ってみせる。
「それーー!」
ふたりでバインバイン、バインバイン! してみせた!
「わあああーーーい!」
「楽しそうに遊ぶわねー」
「ふたりとも子供心がどこかに残っているんでしょうね!」
デッドリィと鈴鹿が朗らかに見守っていると。
タモちゃんとエターニャが互いの方向に体重を思いっきり掛けた途端に。
頭がごっちん!
凄い音が!
「うううううっ……」
ふたりで頭を抱えてうずくまる。
「だっ、大丈夫ですかーーっ?」
「あらあら、体験から新しい知識が増えたようよ!」
鈴鹿とデッドリィが駆け寄って。
「泣かなくて、偉いねー!」
タモちゃんとエターニャの頭を撫で撫でしてやるが。
「泣くか! 子供じゃあるまいし!」
タモちゃんとエターニャは腕を振り払ってふんぞり返った。
「遊んでる姿はまんま子供だったけど?」
デッドリィが声をうわずらせて言うと。
「そういう演技だし!」
と、口幅ったい言い方をするので。
「へえ~。こちょこちょーーっ」
「ひゃっ、ひゃめろ~~っ。子供はくすぐれば何とかなると思ってるだろーーっ」
鈴鹿たちがじゃれ合っている、そんなところへ。
「なあ、鈴鹿。これって、どんな催しだ?」
ジュテームが聞いてきた。
「え? どれです?」
「さっき、もらったんだけどよ」
ジュテームが差し出した学祭のパンフレットには、こう書いてある。
「実戦型お化け屋敷……?」
「なにそれ、どんなのっ?」
「エターニャもやってみたい!」
タモちゃんとエターニャもパンフレットを覗き込んできた。
「クリアできたら和牛1頭分のお肉をプレゼント? ですって」
「和牛っていいお肉よね!」
「ステーキの夢、叶えるチャンス到来だーーっ!」
タモちゃんとエターニャの瞳が煌めいた。
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