青い星

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 船長が呼吸する度に、彼の髭が吹かれて揺れた。よく見ると、彼はわなわなと肩を震わしていた。そして彼の瞳は大きく見開かれており、その焦点は私とは別の場所に合っているようだった。視線の先を追う――窓の外。青い星。そして――私は思わず声を失った――青い星は、天の羽衣のような形状をした煙の環を纏っていた。噴火後の活火山のように、星は煙を噴き出していた。まるで呼吸をしているようだ。息巻いて何かを訴えかけてきているようだ。
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