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 夏休みが明け、久しぶりに学校に登校した。夏休み中はほぼ毎晩、僕は水沼さんと過ごした。そんな非日常な生活を送っていたせいで、久々の日常になんだか新鮮な気持ちになった。 「おはよう、比嘉くん」  水沼さんが僕に挨拶をしてくるまでは。  僕は勿論パニックになったし、周りの生徒は口をぽかーんと開けて困惑の表情を浮かべていた。当然の反応だ。今まで一言も会話をしたことがなかった僕たちだったのに、突然皆の憧れの水沼さんから僕に挨拶をしてきたのだから。 「お、おはよう、水沼さん……」  僕は挨拶を返さないのも変だと思い、挨拶を返した。水沼さんが満足そうに笑顔を浮かべると、自席に座った。 「え、どゆこと? なんで?」  勿論水沼さんは友達に囲まれ、先程の行動について問い詰められている。水沼さんはきょとんとした顔で「なんで?」と言っていた。 「比嘉くんはクラスメイトだし、それに私たち同じ小学校と中学校だったんだよね」  「ええー!!」と水沼さんの周りで驚きの声が上がった。僕がスマートフォンをいじっていると、突然水沼さんの友だちが一人、僕の席の前に座り、「マジなの?」と聞いてきた。小中と同じ学校だった事に対してだろう。 「あ、うん。僕も水沼さんに言われて気づいたんだけど……」 「てか、二人って今まで教室じゃ喋ってなかったよね? 喋ってったっけ?」 「あ、ううん。喋ってない」  「家の近くでたまたま会ったんだ」と水沼さんが言いながら僕の席の近くまでやってきた。やはり怪物の姿じゃないと、水沼さんとはまともに顔を見て喋れそうになかった。キラキラしていて、眩しい。 「同じ学区だからさ、私たち」
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