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 僕の顔はきっとゆでだこみたいになっているのだろう。夜だから良かったが、これが真昼間だったらヤバかった。 「ごめん、私は比嘉くんのことそういう目で見たことない」  え、秒でフラれた。僕は目をパチパチとさせ、失恋の痛みを紛らわそうとした。  いや、別に怪物の一面があることを知る前は一度も喋ったことがなかったし、ステータスも違うし、OKされるとも思ってはいなかったけど。もう少し考えるそぶりをするとか、そういうのはしてくれると思っていた。その考えさえも烏滸がましかった。 「あ、今そりゃ陽キャと陰キャじゃ付き合えないよなーって思ったでしょ」 「思ってないよ」 「でも似たようなこと思ったでしょ」  ぐうの音も出なかった。僕が黙り込んでしまうと、水沼さんがのそのそと僕に近づいた。 「そんな理由で断ってないよ。私は比嘉くんのことをまだ知らないし、知らない人と恋人関係にはなれないでしょ? ちゃんと相手のことを知らないと。だから今は付き合えない」  ニコッと水沼さんが笑った。 「だからちゃんと比嘉くんのことを知れたら、私は比嘉くんのことを好きになるかもだよ?」  水沼さんは公園にある大きな時計を見た。時刻は既に10時を回っている。 「ヤバい、もうこんな時間だ! じゃあまた明日学校で!」  水沼さんは僕の言葉を聞かずに、家まで駆けだしてしまう。大きな怪物の背中を眺めながら、僕はきゅっと心臓が締め付けられたような感覚になった。
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