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呪われ令嬢は婚約破棄される
「身の程知らずな貴女が悪いのよ」
スズラン・シャローラは一人で学園を歩いている時、黒いフードを被った人物に襲われて呪いをかけられてしまう。
手のひらについた黒い印が、呪われたことを示していた。
相手は仮面をつけていて、正体がわからなかったが、高い声や小柄な体格から女性であると想像できる。
「それは一年後に死ぬ呪いよ。温情として解呪の条件を教えてあげるわ」
そう言って、相手はスズランの耳元に顔を寄せる。
「条件は『シオン様が死ぬこと』よ」
「なっ……」
「つまり貴女はシオン様を殺すか、自分が死ぬかを選ばなければならないのよ」
条件に挙げられた人物……シオン・ヴァレンスはスズランの婚約者であり、スズランが心から愛している相手だ。
残酷な呪いをかけられたスズランはしばらく立ち尽くしたまま、現実を受け入れることができなかった。
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