戦い後!!

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戦い後!!

 後日、真レッドにスーツを返す約束をして、あの日と同じカフェに向かった。店員さんに真レッドが待っているという個室に案内されると、レッドだけじゃなくて、他カラーの皆さんもいた。  「この度はありがとう。今思ってもかなり無茶なお願いだったね。」  真レッドのこの言葉に他カラーの皆さんも深々と頭を下げてくれた。  「本当ですよ。それに、他カラーには、ばれないようにとか言っておきながら、全員がぱちもんだなんて信じられませんよ。」  「本当にすまない。全員が偽物だって知ったら、絶対引き受けてくれないだろうと思って」  とんだ自分勝手な理由だが、不思議と腹は立たなかった。それから、真レッドと他カラーの皆さんは、は、バケモンヒーローになった経緯を教えてくれた。ある日、通勤中にヒーロースーツと連絡端末が落ちていたこと。不思議と使命感に駆られて、バケモンヒーローになったこと。ちなみに、俺に代理頼んだのは、人の好さそう顔をしていたからだそうだ。適当な人選に文句を言いたくなったが、ここはぐっと堪えた。  バケモンが現れる前の自分だったら、信じがたいような話だが、現にバケモンがいて、死と隣り合わせになりながら戦った今だから信じることができた。  まあ、そんなこともあるんだろう、と。 「今回の件は、本当に申し訳なかった。でも、いつも一緒に戦っている仲間だけれど、たまには普通に友達したいよなって思ってたんだ、お互い」  相変わらず、自分勝手な理由だが何となく心境が分かるような気がした。
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