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その時、バケモンが再び雄たけびをあげた
「うぉおおおオオオオオオオオ」
逃げ惑うブルー、無我夢中で小石を投げるグリーン、群衆に紛れようとするイエロー、必死で命乞いをするピンク。あぁ、もうめちゃくちゃだ。
バケモンが再び近くにあるモノを手当たり次第に俺たちに投げつける。包丁に、お好み焼きを作るときに使うようなヘラ、おたま……何でも投げてくる。
俺は、すかさず、崩れた焼きそば屋のテントの中に滑り込んだ。
全員がぱちもんだなんて信じられない。
……けど、それが本当なら、覚悟を決めるしかないんだ。
俺は、近くにあった宣伝用の旗をブルーに投げて渡した。「かき氷」とでかでかと書いてあるあの旗だ。
「ブルーさんは、それでバケモンの気を引いてください!」
そして、今度はグリーンに、焼きそば屋の看板を滑らすようにして、よこした。
「グリーンさんは、ブルーさんに攻撃が向いたときのカバーをしてください。看板を盾代わりに!」
「イエローさんとピンクさんは後ろに回ってください!イエローさんは、後ろからモノを投げるなどの間接的な攻撃、ピンクさんは、バケモンを直接殴ったり蹴ったりして打撃を与えてください!」
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