ワタルの危機!!

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 それぞれの体格などを見て、出した指示だったが、うまくいったようだ。バケモンの体力が明らかに削がれているのが分かった。そろそろ最後のとどめを刺すときだ。  俺は、高校の体育以来の全力疾走をかました。走って走って、助走が最高に達した時、バケモンに飛びついた。バケモンは驚いて、俺を振り切ろうとしたが、俺も負けずに食らいついた。そして、何とか、少しずつ少しずつ、バケモンの顔面を目指してよじ登った。そして、何とか顔面にたどり着いたとき、思いっきり、目と目の間を殴りこんだ。ここがバケモンの急所なのだ。  バケモンはさすがに痛かったのか、あばれて、俺もついに振り落とされた。近くにいたブルーとグリーンが駆け寄ってきたが、今懸念しなければいけないのは、俺の怪我より、バケモンに適格なダメージを与えられたか、だ。  群衆が見守る中、固唾を飲んで俺たちもバケモンを見た。バケモンは前に一歩、後ろに二歩とよろめいたあと、でかい図体を揺らしながら、どこかへと立ち去って行った。
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