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店を出ると、ちょうど着信があった。
『あ、ワタル?お前、今日も飲みにくるよな?今日は田中も来れるって』
あの戦いのあと、不思議と俺らぱちもん達は飲みに行くような仲になっていた。どうやら、あの戦いの場で何となくお互いが、ぱちもん同士であることに気がついていたらしい。こうして、熱い思い出を語れる仲間ができたんだから、ぱちもんヒーローもなかなか悪くない。
バケモンは、まだいるし、真バケモンヒーローはなんだか頼りない。ヒーローになった理由だって無茶苦茶で信じがたい理由だ。ヒーロースーツの仕組みだって未だ全く理解できない。
結局、俺は、死の上にたった生を、またおぼつかない足で歩くしかない。それも、理解不能で難解なこの世の中を、だ。
……あれ、でも、それってバケモンが現れる前も同じだったか?
まあ、どっちだって良い。今日も俺たちは非日常な日常を何とか生きていく。
『もちろん。行くよ、じゃあ、また』
俺は、携帯をしまって帰路についた。
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