嵐の夜に

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 朝食を食べながらデイモンはふと思う。  恐らくエミリーは今頃、自分の怖がる姿を見ることが出来たと満足しているだろう。  そうだとしたら悔しい。  自分よりも若い子に怖がる姿を見られるのはやはり情け無いじゃないか。  そうだ。  自分も怖がらせればいい。  エミリーの怖がる姿を見ればあいこだ。  デイモンはエミリーの怖がる姿を想像して、いてもたってもいられなくなり、食事を済ますとすぐさまカバンを持って、家を飛び出した。  車で行くと音でばれてしまう。  デイモンは歩いて行く事にした。  田舎道を歩きながらデイモンは、はてと思う。  昨夜、あれほど風が吹き荒れていたというのに道はやたらときれいだ。  木の枝はおろか、葉すらあまり落ちていない。  誰かが親切に掃除してくれたのだろうかと思うも、デイモンは何とも言えない違和感を感じた。 「それにしても随分と遠いな、革靴を履いてくるんじゃなかったよ」  デイモンはため息をついて自分の足元を見る。  まだ舗装されていない道は一歩踏み出す度に土埃が舞う。  革靴で歩くのには不向きだ。
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