再会

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「分かってるよ。それより、もうまたすぐに村を出るなんて言うんじゃないだろうね」 「まだしばらくは村にいるつもりさ」 「それを聞いて安心した。今から診療所に帰るんだ。リンビル先生の診察はもう受けたかい?」 「いや、まだだ。診療所に行ったら、キリちゃんが高熱で、お前が村長の家に籠りきりだと聞いたから、お前の所に行こうとしていたところだったんだ。俺に何か手伝えることはないかと思ってな。しかしその様子じゃあ、キリちゃんは良くなったんだな?」  シュウは、にこりと頷いた。二人は並んで歩き出し、シュウの鞄をくわえたトウがそれに続いた。 「少し痩せたんじゃないか、トシ」 「そうか?ここに帰ってくる前、イラル国にいたんだが、いつもにまして暑い日が続いていたからな、そのせいだろう」 「眼の調子はどうなんだ?」 「相変わらずさ。俺の心配は良いよ。お前はどうなんだ」 「どうって、僕も相変わらずだよ」 「相変わらず意地を張って、母上にすら会いに行っていないようじゃないか」 「別に意地を張っている訳じゃ…」 「いい加減、兄上と仲直りをと母上は望んでおられるぞ」 「僕は兄上と喧嘩をした覚えはないよ」 「三年前に約束したろ?次に俺が戻ってくるまでに、母上にだけでも顔を見せに行くって。」 「約束したわけではなくて、君が勝手に言っていただけのことじゃないか」と、シュウは苦笑いを浮かべた。 「お前が軍に入らずに医者になることは、父上も母上もお許しになったわけだし、どうしてそこまで頑なになる必要があるというんだ?」
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