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「何の音?」
と、ロニは城の上の方を見上げた。庭園にいる衛兵たちに緊張が走り、皆が城の方を見ていた。シュウは嫌な予感がした。カインの最後の姿が脳裏に浮かんだからだった。
「ロニ、城壁の外側に逃げるんだ」
「うん、わかった」
と、ロニは走って兄弟子の所へ戻って行った。
カインを撃った者が侵入してきたに違いない…シュウはバイルの実を近くにいた侍者に託し、城の中に入ろうとしたが、突然の叫び声に足を止めた。
「落ちたぞ!」
その叫び声とほぼ同時に、どすっという音がして、シュウのすぐそばの花畑の中に、上から人が降ってきた。
周囲の人々が息を飲んで固まっている中、シュウは人が落ちたところに躊躇なく駆け寄った。この高さから落ちたのでは助かるまい…そう思いながら。
花畑の中に、花を押しつぶしながらその人物は横たわっていた。若い男だ。随分とくたびれた服を着ていた。そしてその手には鞘から抜かれた剣が握りしめられていた。
「なんと…」
父上から奪ったというのか…シュウは一目でそれが聖剣であることに気付いた。まさか父上が…
「シュウ!」
上からハクトの声がした。ハクトが言いたいことはわかっている…シュウは倒れている男の手から素早く聖剣を取り上げた。
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