ポニーテールとバトン

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しかし… バトンを受け取った私は、泣きすぎて思考が止まり、動けずにその場に立ち尽くした。耳が詰まったように何も聞こえない。 パニックになったのは周りの大人たちだ。 両親や先生はもちろん、いろんな大人たちが私に向かって、手振り身振りで何か叫んでいる。 「早く走りなさーい」 「由奈ー、走るのよー」 「走れー 走れー」 「いけー、動けー」 ぼんやりとしか聞こえない。 その中に大きくハッキリとした声が耳に響いた。
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