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「由奈ちゃーん、ごめんねー。
僕が最後がんばるから、由奈ちゃんもがんばって走ってー。
めぐちゃんにバトン渡すんだよー。
イジワルしてごめんねー」
それは間違いなく勇治郎くんの声だった。
初めて謝ってくれたのだ。それも、観客がたくさん見ているグラウンドの真ん中で。
目も合わせてくれなかった勇治郎くんがこっちを向いて叫んでいる。
勇治郎くんの言葉に、観客からは大きな拍手が沸き起こった。
涙なんかすっ飛んで、私にスイッチが入る。崩れたポニーテールがなんだ!
勇治郎くんが謝ってくれたんだもん。
一気に加速をつけて走り出す。ぐんぐんと前の子に追いつく。
1番だった子が転んでしまったみたいだ、擦りむいた膝小僧が痛いのか、しゃがんだまま動かない。
私は1人抜き、2人抜き...そして3人目を追い抜き、最下位の6位から2位まで順位を上げると、めぐちゃんにバトンを繋いだ。
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