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「次世代HSは、最新技術をふんだんに取り入れようと、約1000人の開発者がそれぞれのアーム構造を考案してきたんだ。毎日毎日、熱い議論が絶えなかったよ」
「はぁ……」
ミゲルは冷めた目でエドの話を聞いていた。エドの情熱的な語り口とは対照的に、ミゲルの心はどこか遠くにあった。
「結局話がまとまらなかったから、俺は命じたんだ。『お前らそれぞれで腕を作ってこいや』てな。そしたら、それぞれが作ってきた腕を勝手に付けやがった。正確に数えたことはないけど、たぶん1000本くらいはあると思うぜ」
「頑張って2本に絞れよ」
ミゲルのツッコミを受け、エドはフッとほくそ笑んだ。
「およそ1000本のアームを持った戦闘ロボなんて、今まで聞いた事がないじゃん? 案外いいんじゃないかと思ってそのままにしといた」
「アームがおよそ1000本もあったら邪魔だろ」
ミゲルは呆れ気味にそう言いながら、カンノーンをじっと見つめると、ある事に気づいた。
「そういや、脚は2本なんだな」
「まあね。脚は飾りだから」
どこかで聞いたことのある名言を聞き、ミゲルはふざけた事を抜かしてるなと思った。
「俺がふざけた事を抜かしてるなと、今考えただろ?」
エドに心を読まれた事に図星を受け、ミゲルは「うぐっ」と声を漏らした。
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