8

1/1
前へ
/9ページ
次へ

8

 ピカーーーーっ!  カンノーンは目から……ではなく、全身からありがたい菩薩の光を放った。その光はまるで太陽のように眩しく、周囲の空間を一瞬で照らし出した。 「あぁああぁっ! 目がっ! 目がぁっ!」  カンノーンのありがたい光に耐えられず、エドは両目を手で覆った。 「よし! アームはともかく、このまま動かせそうだ」  ミゲルが操作盤のキーを素早く叩くと、カンノーンに繋がる数多のコードが次々と外れていった。 「いくぞ! カンノーン!」  ミゲルは適当なレバーを引き、フットペダルを踏み込むと、カンノーンは大きな一歩を踏み出した。その動きは重々しく、地面が揺れるほどの力強さを感じさせた。  そして……  ズーーーーーーーーー……ッン!  カンノーンは前方に倒れた。巨大な機体が地面に激突し、周囲に土埃が舞い上がる。 「あ……」  エドは声を漏らし、うつ伏せで倒れたカンノーンを、ただボーゼンと眺めていた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加