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(妄想コンテストの賞をおくれよ……
何年参加してると思ってるんだよ……
妄想
コンテストの
賞を)
「わー!」
私はまたうなされて目を覚ました。
もう朝だ。出勤しよう。
妄想コンテストに賞をくれ、か。気持ちはわかるが、夢の中のことだし、誰の気持ちなのかわからないからなあ。せめてユーザー名を名乗ってくれないだろうか。
そんなことを考えながらエブリスタ編集部に着くと、編集部がいつもよりざわざわしていた。
「どうした。なにかあった?」
副編集長に尋ねる。
「編集長おはようございます。それが、小説サイト○○がサイバー攻撃にあったそうで」
「え!? こないだ別のサイトもサイバー攻撃にあったところじゃないか」
「はい。なのでうちのサイトも他人事とは思えないものですから、皆動揺していまして。ユーザーからもうちのサイトは大丈夫なのかという問い合わせも多く来ています」
「そうか……」
最初にサイバー攻撃をくらった小説サイトは未だにサイトメンテナンス中で閲覧不可だ。もう半月になる。
「もしエブリスタが半月もメンテナンスすることになったら……」
「ユーザーはパニックですよ」
「そうだな」
小説を毎日更新しているユーザーは山のようにいる。それを楽しみにしている読む側のユーザーも。
「今のところうちのサイトは攻撃を受けてないんだな」
「はい」
「できる限りの対策をするしかないな。システム班には……」
サイバー攻撃への対策を指示した。
あとは……
「今日は妄想コンテストの受賞作を決める日だな。よし会議だ」
「うーん……」
私は受賞作候補の作品を読みながら、首を捻って悩んでいた。今回の応募作はなんだか全体的にいまひとつな印象を受けた。
お題がよくなかっただろうか?
いや、みんな受賞作をよく研究していて、どんな作品が受賞するか考えながら書いているのが伝わってくる。熱意を感じる反面、少し新鮮味に欠ける気がする。
悩んだ末、コンテストの総評に正直な感想を書くことにした。応募作に何か変化があるといいが……
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