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(また私の作品を落選させたね……
オリジナリティのある作品ならいくらでもあるじゃない……
私の作品を受賞させれば受賞作のオリジナリティの高さは上がるんだから……
賞をちょうだいよ……)
「だー!!またか!」
私はまた夜中に飛び起きた。
「誰だかわからないがしつこいぞ!賞!賞!って、そんなに受賞することが大事なのか!?なぜそこまで受賞にこだわる!?それよりも『小説を書くことの素晴らしさや楽しさ』を見いだせないのか!?」
私は思わず部屋の暗闇に向かって叫んだ。
(……なぜ受賞にこだわるかだと……?
……なんてことを……)
部屋の中なのに嵐のような風が吹き荒れた。本棚がガタガタ震えて文庫本がこぼれ落ちる。
部屋の片隅に、黒い大きな影が見えた。
その影には、たくさんの目がついていて、こちらを見つめている。
そして影からは、複数の手が生えてうごめいていた。
「もしかして、この声は……たくさんの人間の集まりなのか?」
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