ダイレクトだな!

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ダイレクトだな!

 バスを降りて家まで歩いて向かうと、走ってこちらに向かって来る奴がいた。空だった。凄い心配そうな顔してて、その顔を見たら急に恋しくなった。 「貴哉!大丈夫か!?」 「大丈夫。お前チャリは?」 「貴哉んちに停めてある」  ここで空は俺の隣にいた伊織を見てペコっと頭を下げた。 「貴哉がお世話になりました。ここからは俺が付いてるんでもう大丈夫ですよ」 「なぁ早川に相談があるんだ」 「相談ですか?」  あ!こいつさっきの言う気か!?  まさか本気だったのか!?  空は嫌な顔をしていた。 「今から俺と貴哉と早川で3Pしねぇ?」 「ダイレクトだな!」 「貴哉、やっぱり何かされたんだろ!?」 「ちょ、何でそうなるんだよ!されてねぇよ!俺じゃなくて伊織に突っ込めよ!」 「まぁまぁ、早川よ。俺は貴哉に手を出していない。だからすげぇヤりたくて仕方ない訳。でもそんなの彼氏のお前が許可してくれる訳ねぇだろ?だったら二人で仲良く貴哉を気持ち良くさせてやろうぜって訳♪」 「馬鹿なんですか?絶対やりませんよそんな事」 「てか勝負してぇんだ早川と」 「話になりませんね。行こう貴哉」 「どっちが貴哉を満足させられるか。やってみて貴哉が良いって言った方の勝ち。お前が勝ったら俺はもう貴哉に声も掛けねぇよ。約束する。俺が勝っても別に何もいらねぇから」 「……声も掛けないって、どういう事だ?」  伊織の出す提案に、空よりも俺が反応しちまった。だってさっきはそんな事言ってなかったじゃねぇか。  それって、もう俺の事を好きなの辞めるって事か? 「んー、貴哉とは友達も辞めるって事かな?それなら早川もスッキリするだろ?それとも自信ねぇの?貴哉を満足させる自信が」 「スッキリする訳ないでしょう。第一目の前で貴哉が他の男に触られるの見たくないです!」 「だからー、今日の勝負さえ耐えて勝ちさえすればそれも無くなるって言ってんの!」 「待てよ!俺もそんなのやりたくねぇよ!伊織、友達辞めるなんて言うなよ!」  勝手に話を進める二人に少し強く言うと、二人同時に俺を見て来た。だって、伊織にそんな事言われたら俺、やだ! 「安心しろ♡俺は負けねぇ♡」 「分かんねぇじゃん!」 「貴哉、相手にすんなよ。この人頭おかしいんだから」 「ふーん。勝負しねぇんだな。んじゃ早川いないとこで手出せばいっか」 「何言ってるんですか!そもそもあんた手を引くって言いましたよね!?」 「隙があったら奪うとも言っただろー。お前隙だらけだぞ」 「分かりましたよ!やってやりますよ!その代わりに俺が勝ったら絶対に貴哉に声掛けないで下さいよ!」 「ひゃっほー♪彼氏様の許可出たぜー♪貴哉の部屋行くぞー」 「お前ら何勝手に決めてんだぁ!」  とうとう伊織の挑発に乗ってしまった空。  とんでもない事になっちまって俺は泣きたい気持ちだった。
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