🥀赤い薔薇は我君の為に咲く🥀

EP.1：恋愛事情

　私の身長は一五二糎(センチ)と低く、近所にいる女性達よりも低く顔も幼いからか中学生などと間違われる事がある。成人に見られない上性別まで間違えられる、それに私の声もそうなのだろうが中々中性的な声をしているらしい。女性なら少し低めのハスキーな声質、男性なら一般男性よりやや高めのハスキーな声質、私は容姿にしても声にしても見たり聞いただけでは判別出来ないほど、まさに中間的な存在なのだ。
　私自身女性に気に入られた事はない。その理由は明白だ。その人の好きな男性が私に好意を寄せている、容姿に対して私と比べられる、だからこそ私は女性から敵視される事が多い。カップルが歩いていて私が通り過ぎると、『うわ、今の人すっげぇ可愛い』と声が聞こえて彼女らしき人が『ちょっと！　他の女見て鼻の下伸ばさないでよ！　私という彼女がいるのに！』と喧嘩になったりして修羅場になっているのをよく見かける。
　そのせいで、人が多いところは苦手になってしまった。ここ最近は家に引き篭もっている事が多いし……。

　そんな何気ない日々を過ごしていた二年、18歳の誕生日を迎える今日12月24日、祖父母に話があると言われたまでは良かったが、身なりのきちんとした服を着せられ髪をセットされ薄く化粧までされた後私は二人に連れられて料亭へと来ていた。今まで入った事もない場所、個室であるところを見るとこの二人の目的は……。
「何のつもり？　私に結婚しろとでも？」