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私の学校生活は滞りなくすぎていく。一学期が終わり夏休み。夏期講習はオンライン授業を選択した。模試の結果は微妙。合格圏にはまだまだたりない。
もっともっと、頑張らなくちゃ。
私は毎日、朝早くから夜遅くまで勉強をした。セミの鳴き声がうるさい夏があっというまにすぎ、二学期が始まる。受験日までは残り半年を切った。私の学力は伸び悩んでいる。
「もう、どうしてこんな問題がわからないのよ」
夜中に癇癪を起こすこともあった。何度やっても同じところで間違えてしまう。慎重に遠まわりして考えて出した解答でいつも間違えてしまうのだ。最初に思ったインスピレーションを信じきれず、あれこれ考えていくうちに深みにハマる。そしてべつの解答を選択して、結果はバツ。最初に思った答えが正解だったなんてことがざらにあった。
「ミヤ、毎日、根を詰めすぎよ。少しは休まないと」
そう言ってママが心配するけど、休んでなんかいられない。
「でも、もう夜中の三時半をすぎてるのよ? あなた、明日は五時すぎに起きてしたくして六時三十分に家を出るんでしょ? 今から寝ても二時間も寝られないじゃない。勉強も大切だけど、出席日数だって大切なんだから」
そんなことはわかっている。私には入院をしていた一ヶ月ぶんのディスアドヴァンテージがある。たぶん猶予はあと一日か二日くらいしかない。もうこれ以上、欠席はおろか遅刻をすることもできない。だが、志望校の合格圏にはまだ達していないのも事実だった。
だから、連日無理をした。
そして、それがたたりその夜更かしでやらかしてしまう。
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