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7
「事故の記憶がフラッシュバックされてるんでしょう」
過保護な幼馴染のすすめで学校をサボらされ、病院につれていかれた私は担当のお医者さんからそんな診断を受けた。
「これは治るんでしょうか?」
「精神的なものだから、時間の経過とともに緩和される可能性もありますが、今後一生このままということもありえます」
「でも、あそこは通学路……」
その場で呼んだ救急車に乗ってここまできたが、救急車のなかで私はパニックを起こし暴れ散らかしてしまった。その結果、交差点に入ることができず、大まわりをしてもらい病院に到着したのだ。
「しかたありませんよ。それほどのショックだったのですから」
なんともたよりない言葉だった。
「これ以上、欠席が増えたら卒業だって危うくなる」
病院の帰り道にアキラに愚痴った。アキラはただ「無理をするな」とだけ言った。
「そんなこと言ったって……」
無理をしなければ学校に行けない。学校に行けなければ、出席日数がたりずに受験ができなくなる。その結果、子どものころからの看護師の夢をあきらめなければいけなくなるのだ。
「とりあえず、今日はもう一日ゆっくり休め。そして、明日、問題がないようだったら、また一緒に学校にいこう」
家まで送ってくれたアキラはとなりの自宅には戻らずに、遅刻をして登校していった。その姿に私は妙な焦りを感じた。
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