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俺の本当の気持ち
いつもあいつがあんな目で俺の事を見てたのはとっくに気付いてた。
なんだよ、俺のこと好きなのか?
なんて少しだけ嬉しかったりした。
だけど単なる憧れだと言われた。
『なんだ、マジで彼女が欲しいってか。じゃあ俺がレクチャーしてやる。』
最初は面白半分と退屈しのぎだったのに。そのうちあいつの反応が気になり出した。
あれ?今日は反応薄いな。とか。あれ?今日の俺にはドキドキしないのか。とか。
そうやってやけに反応が気になってた。了といると全然飽きないし。
それどころかすれ違ったのに俺を見なかっただけでなんか心配になったりして。
なんで今日は俺を見ないんだよ。
とか。
部長が最近あいつに優しくするのもやけに気になり出した。部長は誰にでも優しいのに。あいつに優しくするのがなんか気に入らなかったりしてる俺。
了って気安く呼ぶなよ、とか。
なんだこの独占欲。
あいつが部長と笑顔で話すだけでなんかおもしろくなかった。
お前はみんなにそんな顔すんのかよ。
なんて。
なんだこりゃ。
ついに俺、おかしくなったか。
「最近、あいつ部活来ないけど、あいつとなんかあった?」
部長が俺に聞いてくる。
「なんで俺?」
「え?だってついこの間まで仲良くつるんでよく一緒に帰ってたから。」
俺が?仲良くつるんでた?部長にはそう映ってたのか。俺の単なる暇潰しを。
仲良く、か。
確かに最近ずっと俺は了といるのが当たり前になってた。
あいつといると全然飽きないし…。
なんて言って本当は。
中庭であの時、気づいた。
俺の本当の気持ちに。
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