賭け?

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賭け?

「いいから確かめてこいよ。」 「は?なんでよ」 「了がマジだったら俺が奢る。お前が了に振られたらめし奢れよ?」 「は?なんだそれ。」  このあいだ、僕の好きなカイ先輩と竹田先輩がふざけながら二人でそんな話してるのをこっそり聞いてしまった。 「了さ、マジでお前の事好きなんじゃね?」 「そんなはずネェだろ?俺、男だよ?」 「けどさ、あいつマジでお前を見る時の目、やばくね?」 「彼女欲しいって言うからさ、時々レクチャーしてやってんだよ。」 「なに?恋の手解きってやつ?」 「まあな。そんなとこ。」 「うわー、了がお前みたいにとかって無理だろ、そもそもキャラ違うし。あいつ女みたいに可愛いけどさ。」 「俺に憧れてんだって。彼女欲しいって言うし。だから。」 「そんなこと言って誤魔化してるだけじゃね?あれ、絶対マジだって。」 「だから違うって。」 「じゃあ賭けてもいいよ。」 「ん?」 「了がお前にマジだったら昼飯奢ってやるよ。」 「だから違うっつーの。」 「いいから聞いてこいよ。 俺とマジで付き合う? とかなんとか言ってさ。 うわー、おもろ。マジで結果聞かせろよ?」 「だからさ。レクチャーなんだって。」 「いいから。おもろ。マジ楽しみ。」  カイ先輩と竹田先輩がそんな話をしてた。  涙が出た。  二人で賭けをしてるなんて。僕が好きか嫌いか試す?  確かめるために先輩が俺と付き合おうかって聞いてくる?  バカにしやがって。  僕はその日、部活をずる休みした。 次の日も、その次の日も。  段々行きづらくなってきた。  毎朝自転車置場で先輩が登校してくるのを見届けてから教室に行ってたのも、やめた。  カイ先輩に裏切られた気がして仕方ない。  あんなにドキドキしてた自分がバカみたい。いつの間にか恋のレクチャー受ける度にあんなにパニック起こしてた自分がバカみたいだ。  もう、こんな事やめてやる。部活もやめる。
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